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逃げ地図のつくり方

逃げ地図づくりの基本的な⼿法

逃げ地図は、どの災害でも次の5つのステップを踏んでつくります。

1.
逃げ地図をつくる範囲を設定する

想定する災害のハザードマップをよく見て、逃げ地図をつくる範囲を設定して、ベースマップ(白地図)を用意する。

2.
避難目標地点を設定する

津波や洪水は浸水到達点と道路などの交点、その他の災害は避難場所などを避難目標地点として設定し、ベースマップに🔴印をつける。

3.
避難障害地点を確認する

地震に伴う建物や塀などの倒壊、大雨に伴う凹地などの冠水などにより、避難の障害になる地点を確認して、ベースマップに印をつける。

4.
避難時間を可視化する

足の悪い高齢者など(平均歩行速度43m/分)を基準に、避難目標地点から3分ごとに緑、黄緑、黄、橙、赤の順で道路等を色分けする。

5.
避難方向を図示する

最も近い避難目標地点から何分かかるかがわかるように、塗られた色の脇に避難方向を示す→を入れる。

以上のステップを踏んで作った逃げ地図から、避難する場所や経路、避難対策の課題など、互いに気がついたことを出し合い、付箋に書いて地図上に貼り出します。

動画で見る逃げ地図
(宮城県気仙沼大谷本吉地区)

動画で見る逃げ地図
(岩手県大船渡市越喜来地区)

ワークショップ開催の勧め

逃げ地図は、災害のリスク、特に避難に関するリスクについて当事者同士が情報を共有していしの疎通や相互理解を図るというリスクコミュニケーションの道具です。
そのため、グループで学びや問題解決を図るワークショップの手法により、つくることを勧めています。具体的には、4〜5人(最大8人)が白地図を囲み、ファシリテイターと呼ばれる司会進行役を中心に、上記の1〜5のステップを踏んでつくります。

逃げ地図は、避難目標地点や避難障害地点などの設定条件を変えると、色が変わるシミュレーションでもあります。そのため、白地図を囲むグループを複数編成し、それぞれ設定条件を変えた逃げ地図をつくると、その数だけシミュレーションの実験を行うことができます。例えば、30人であれば、5人/班の合計6班に分け、班ごとに設定条件の異なる逃げ地図をつくり、その成果を並べることで、避難対策の有無による検証を行うこともできます。

こうした逃げ地図づくりワークショップを、地域や学校、職場などで開催できるように逃げ地図づくりプロジェクトチームが制作したマニュアルを次に紹介します。

逃げ地図づくり
ワークショップマニュアル

逃げ地図づくりは、リスク・コミュニケーションを促進するための道具ですから、作成した逃げ地図を使って何を実現するかが重要です。つまり、逃げ地図づくりワークショップの準備と作成した逃げ地図を活用した取り組みがとても大事です。

この「逃げ地図づくりワークショップマニュアル」は、その地域において想定される津波や土砂災害など多様な災害からの逃げ地図づくりワークショップを通して、避難に関するリスクと地域社会の脆弱性を認識し、地域の構成員が互いに協働して災害の被害を少なくする防災まちづくりを促進するためにまとめたものです。

全部で28項目あります。どの項目も冒頭の文章を読めば、手順や方法などをチェックすることができますので、一読してください。その下にある文章などはその解説文です。

1.逃げ地図づくりワークショップ

逃げ地図づくりワークショプの準備についてまとめています。ワークショップを行う前に必ず一読してください。

1−1 目的を再確認する
1−2 参加対象者を確認する
1−3 テーマを設定する
1−4 実施体制を整える
1−5 プログラム案を作成する
1−6 班構成を検討する
1−7 スタッフの役割分担を決める
1-8 アンケート票を作成する
1-9 ワークショップを連続開催する

1.をPDFで見る

2.逃げ地図のつくり方

逃げ地図の作り方についてまとめています。逃げ地図は一人でも作成可能ですので、ワークショップの事前準備として試しに作成してみてください。

第2章と第3章の間にある「☆災害種類別の逃げ地図作成のポイント」は、その地域で想定される災害の種類を定めたら、一読してください。

2−1 作成範囲を設定する
2−2 白地図を用意する
2−3 避難目標地点を設定する
2−4 避難障害地点を設定する
2−5 革ひもと色鉛筆を用意する
2−6 避難時間を可視化する
2−7 避難方向を図示する

☆災害種類別の逃げ地図作成のポイント
1 津波からの逃げ地図作成のポイント
2 土砂災害からの逃げ地図作成のポイント
3 地震火災からの逃げ地図作成のポイント
4 複合災害からの逃げ地図作成のポイント

2.をPDFで見る

3.逃げ地図の活用

逃げ地図の活用についてまとめています。ワークショップの目的や参加者の対象を再確認するためにも、ぜひワークショップの準備段階で一読することをお勧めします。

3−1 共同で現場を点検する
3−2 逃げ地図を展示・配布する
3−3 避難訓練を実施する
3−4 イベントを通して拡げる
3−5 避難計画を検討する
3−6 避難場所を指定する
3−7 避難場所や避難経路を整備・管理する
3−8 地区防災計画を立案する

3.をPDFで見る

防災教育のための
逃げ地図づくりマニュアル

逃げ地図づくりは、リスク・コミュニケーションを促進するための道具ですから、作成した逃げ地図を使って何を実現するかが重要です。つまり、逃げ地図づくりワークショップの準備と作成した逃げ地図を活用した取り組みがとても大事です。

この「防災教育のための逃げ地図づくりマニュアル」は、子どもたちが学校教育において次の3つを学ぶために制作したマニュアルです。

1.まちの災害時に危険な場所を知ること
2.自分で避難ができるようになること
3.防災対策ができるようになること

特に、小学生では地域の危険を知った上で自分で逃げるができることを、中学生や高校生には自分たちを暮らすまちを改善していく提案ができることを目指しています。
下記PDFファイルよりご確認ください。

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