事例紹介
宮城県 気仙沼市大谷地区
- 対象災害
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- 津波
経緯と目的
- 気仙沼で造船業の高度な溶接技術を建築に生かしたことで有名な、高橋工業、高橋社長の呼びかけによるワークショップ。
- 震災以前から親交があった高橋氏に、震災以降、東京で集めた募金を手渡すなど、支援を続けていた。その中で逃げ地図を説明したところ、災害危険区域に指定された地域で、今後の街について住民同士が話し合うきっかけにしたいとご要望をいただき催された。
方法と内容
- 大谷公民館にてワークショップ開催。大谷地区、三島地区、日門地区の小中学生とそのご家族が対象。参加者は仮設住宅に暮らしていた。
- ここでも実際に津波がどこまで来たのか、地元の人たちに情報を提供してもらうことにより、参加者が能動的かつ活発になった。
- 高台だが孤立する可能性がある場所について、そこに近い場所に住宅がある住民にとっては避難場所として見なさない想定は厳しく、その高台も避難場所として想定することに。被災地での厳しめの想定は難しい。
- 色塗りの仕組みについての理解は早く、作成は1時間程度で終了。
- 高台が多く、避難時間が短いため地図に緑が多くなった。それにより安心してしまう人もおり、避難の意識が継続されるか課題が残った。
- 一方で高台が多く避難時間が短いのに、高い堤防が本当に必要なのかという議論がはじまり、最低限設けるべき堤防はどんなものかという議論で盛り上がった。
成果と課題
- 逃げ地図の時間・距離による色分けにより、客観的な情報が可視化されることで、地元を非常に良く知るベテラン議員や地元の主婦と、地域のことを良く知らない我々の間でも対等な話し合いができることが分かった。
- 被災地で実際の住民を前にすると厳しめの想定は難しい。
- 人を集めることが難しい。この地域ではワークショップという言葉の意味が伝わっておらず、仕事をさせられると思っていた人もいたらしい。
基本情報
開催年月日 | 2012年6月24日 |
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開催場所 | 大谷公民館 |
主催 | 高橋工業 |
協力 | 日建設計ボランティア部 |
参加対象 | 大谷地区の住民 |
参加者数 | 約20人 |
ワークショップの様子
逃げ地図づくりワークショップの様子1
逃げ地図づくりワークショップの様子2
逃げ地図