事例紹介
兵庫県 神戸市港湾地区
- 対象災害
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- 津波
経緯と目的
- 阪神大震災20年周年事業としてデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)にて開催された「加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸 2015」展の中の1イベントとして、実行委員の1人である建築家・島田陽氏の誘いの元、「逃げ地図ワークショップ -リスクから考える街づくり-」を開催した。
- 兵庫県が作成した津波ハザードマップによると、ワークショップ会場となったデザイン・クリエイティブセンター神戸を含む神戸市の湾岸地域は、南海トラフ地震発生の際に広域にわたって最大津波浸水深3m未満が予想されている地域である。本ワークショップでは、主に神戸市近郊に住む大学生を中心にワークショップ参加者を公募することで、神戸市における津波被害の危険性を再認識するとともに、リスクから考える街づくりに積極的に関わってもらうことを目的として開催された。
方法と内容
- 津波からの逃げ地図づくりの手法について簡単に説明した後、2班に分かれて神戸市の湾岸地域(中央区近辺)の津波からの逃げ地図を作成した。
- 1班は、津波ハザードマップで浸水が予想される地域よりも高台まで避難する逃げ地図を作成し、もう1班は、浸水範囲外の高台までの避難に加え、高架駅や高速道路の高架橋など垂直方向への避難が可能な施設への避難も考慮した逃げ地図を作成した。作成後、参加者が両方の地図を囲んで見比べて、意見を出し合った。
成果と課題
- 作成された2つの地図を比べると、都市部において、垂直方向への避難が可能な施設への避難が非常に有効であることが明らかであり、施設利用者(避難者)と所有者との間で災害時の避難に対する共通理解が大切であることが話し合われた。
- 参加者が20代を中心とした神戸市に住む大学生がほとんどであり、逃げ地図作成範囲について必ずしも土地勘がある方ではなかったため、特に高架駅への登り口等の正確な情報が不足していた。土地勘のある方との共同作業、もしくは地図作成前後の実地調査が重要であることを認識させられるワークショップとなった。
基本情報
開催年月日 | 2015年1月12日 |
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開催場所 | デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO) |
主催 | 加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸プロジェクト実行委員会 |
協力 | 神戸市、アート・サポート・センター神戸 |
参加対象 | 神戸市近郊に住む大学生を中心に公募 |
参加者数 | 10人 |
ワークショップの様子
逃げ地図づくり作業の様子
ワークショップ終了後の集合写真