' 下田市立下田中学校(下田・遊ぼう祭) | 逃げ地図

事例紹介

静岡県 下田市立下田中学校(下田・遊ぼう祭)

対象災害
  • 津波

経緯と目的

下田市旧市街地区を会場とし、アートと防災を融合した『下田遊ぼう祭』の開催を下田中学校に案内したところ、同校の校長よりとても有意義な企画であるので全校生徒を参加させたいとの強い要望があった。そこで、会場の関係等から『下田遊ぼう祭』に全校生徒を受け入れられないことから、その前日に、遊ぼう祭のプログラムのうち『逃げ地図づくり』と『キツネを探せin下田』と『すごい災害訓練DECO』の3つを学年ごとに実施することにした。

『逃げ地図づくり』は、中学1年生を対象に、下田市旧市街地区(下田市1〜4丁目)の津波からの逃げ地図を作成した後、『キツネを探せ』参加の中学2年生とともに指定避難場所の下田幼稚園付近までの避難訓練を行うなどして生徒たちの地域の災害リスクの認知や防災に対する意識の向上を図った。

方法と内容

当日は中学1年生63名が7人ずつ9班に分かれ、下田市民文化会館小ホールで午後1時半から3時までの間に下田市の1〜4丁目の逃げ地図を作成した。 各班には、逃げ地図づくりの経験のある住民スタッフや研修を受けた学生らがファシリテイターとなり、前年度に逃げ地図ワークショップを経験した朝日小学校出身の生徒が班のリーダーとして配置された。

逃げ地図づくり対象の1〜4丁目に居住している生徒はいなく、買い物などで旧市街地に行ったことを想定したワークショップとなった。また、9グループが逃げ地図づくりを行うには会場がやや狭く、1班あたりの生徒数が7人だったことから、色塗り作業などのグループワークに参加しない生徒が散見されるなど集中力を欠いた部分があったが、予定していた時間内で逃げ地図を作成することができた。

成果と課題

今回の逃げ地図ワークショップでは、通常の逃げ地図づくりに加えて、他学年のプログラム(キツネを探せ)との接点や、学年ごとの発表会を設けることで、中学生が防災に対してより興味関心を持てるようなプログラム構成とした。その結果、ワークショップ後のアンケートの中で「2年生のプログラムに参加したい」と興味を示す生徒が現れたことから、異なるプログラムを複合することで他の防災活動への参加を促す可能性があることが明らかとなった。

配布したまとめシートのコメントを抽出すると、全ての班の中で、地域の危険性が思っていたよりも高かったという意見が見受けられたことから、まずは地域のリスクを知って考えてもらうという逃げ地図の本来の目的に沿った結果が得られた。 アンケート結果によると、1年生の「地域に対する危険性の認知度」が最も大幅に上昇したことから、他のプログラムに比べて逃げ地図は防災面での知識や意識の向上に関して、優れた面があることが明らかとなった。

基本情報

開催年月日 2016年10月21日
開催場所 下田市民文化会館
主催 下田中学校
後援 下田市、下田市教育委員会、下田商工会議所、下田市観光協会
協力 下田遊ぼう祭2016実行委員会、明治大学山本俊哉研究室、子ども安全まちづくりパートナーズ
参加対象 下田中学校の中学一年生 
参加者数 63名(9班構成)

ワークショップの様子

逃げ地図づくりのグループワークの様子

指定避難場所の行った後に1年生と2年生が互いに成果を発表しあった

事例紹介トップ
To Top