' 金沢市長町地区 | 逃げ地図

事例紹介

石川県 金沢市長町地区

対象災害
  • 洪水
  • 火災

経緯と目的

金沢市は災害が少ないと言われているが、2008年には記録的な豪雨により浅野川水系で浸水被害が発生した。犀川水系は上流部に洪水調節ダムが整備されたことで洪水リスクが低くなったが、近年公表された金沢市水害ハザードマップ(一千年以上に1回の降雨)によれば、武家屋敷で知られる長町地区全体が1階の軒下まで浸水し、犀川堤防付近では建物が倒壊する被害が発生する恐れがあると予測されている。

地震も、1799年に金沢城下で多くの家屋が倒壊し、20名ほどが亡くなった金沢地震(M6.0)以来、金沢市内では大きな地震は発生していないが、長町地区では1980年以前に建てられた木造建築物が200500棟、旧耐震基準のRC造・鉄骨造は1540棟倒壊し、100~250棟が消失して地震に伴う死者数は10~50人、負傷者数は100~200人程度と予測されている。

方法と内容

金沢市長町地区の逃げ地図づくりにあたっては、株式会社パスコの協力を得て、Mappin’ Drop(マッピング ドロップ)という地図作成ツールを使用して1/2,500のベースマップを用意した。https://www.pasco.co.jp/MappinDrop/

合計65人が参加したため、グループワークは10班に分けて、大雨時は避難先を「高台のみ」「指定避難場所+高台」「(指定避難場所を含む)避難ビル等+高台」の8班、地震時の避難先を「指定避難場所」の2班に分け、合計4種類の逃げ地図を作成し、それぞれ発表して成果と課題を共有した。

成果と課題

長町地区は、香林坊などの高台が近くにあり、大雨時は浸水する前に移動すれば難を逃れることができるし、万一避難行動が遅れた場合は、地区内には中高層建築物が多いため、垂直避難すれば安全性を確保できることを共有できた。

武家屋敷街を流れる大野庄用水の水閘を代々管理してきた住民が参加していて、地域の担い手たちが顔を合わせる貴重な機会になった。

会場には3歳から80歳まで老客男女65人が参加し、特に小さな子どもを抱えた青年会議所メンバーの「イクメン」が何人もおり、多世代交流の機会になったことを喜ぶ声も多く聞かれた。

基本情報

開催年月日 2019年年6月9日(日)9時〜12時
開催場所 金沢市中央公民館・長町館
主催 一般社団法人金沢青年会議所
後援 北國新聞社
協力 長町地区町会連合会
一般社団法人子ども安全まちづくりパートナーズ
セコムIS研究所
株式会社パスコ
参加対象 長町地区の住民、金沢青年会議所、石川県防災士など
参加者数 65名
新聞掲載 北國新聞2019年6月11日

ワークショップの様子

金沢市長町逃げ地図WSフライヤー

北國新聞に掲載された金沢市長町地区の逃げ地図づくり

金沢市長町の逃げ地図づくりの会場

イクメンが多く参加した金沢長町の逃げ地図づくり

金沢市長町の逃げ地図づくりの成果の発表会

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