事例紹介
宮城県 気仙沼市立面瀬小学校・面瀬中学校
- 対象災害
-
- 津波
経緯と目的
- 度学校防災計画において、小学4年生の総合的学習の時間に面瀬中学校との合同授業「探ろう!地域防災探検」の実施を定めた。
- 面瀬小学校の担当教諭は、子どもたちが海に近づいても安全に逃げられる場所を確認する手法を学ぶため、気仙沼市内で開催された逃げ地図づくりワークショップに参加した。その経験から、中学生と一緒に取り組めば小学4年生でも実施可能であると考え、「探ろう!地域防災探検」の交流授業で、面瀬小・中学校区の津波からの逃げ地図をつくることを提案した。
- そこで、地域における津波からの避難上安全な場所と危険な場所を子ども自身が自ら学び、高齢者が避難する際の課題を一緒に考えることを目的として逃げ地図づくりワークショップを開催した。
方法と内容
- 逃げ地図のベースマップは、東日本大震災の津波浸水範囲や緊急避難場所などが明示された「気仙沼市津波避難計画地図」(カラー版、A3版)を白黒コピーし、その縮尺に合わせて129m(3分間の移動距離)分の革ひもを用意した。
- 参加した小・中学生たちは、24組の混合グループ(5〜6人/班)に分かれ、それぞれ地図を囲んで、津波が遡上する川など危険箇所や津波から逃れられる高台の緊急避難場所などを点検した上で、東日本大震災時の津波到達ラインと道路等が交差する避難目標地点までの避難経路を色塗りした。
- 中学生は小学生に「ここは川の近くだから危険」「坂道だから高齢者は時間がかかるかも」とアドバイスしながら進めた。
成果と課題
- 津波浸水範囲が表示された津波避難計画地図や津波ハザードマップを白黒コピーすると、その区域が明示され、逃げ地図づくりのベースマップとして利用でき、A3サイズであれば簡単に用意できることがわかった。
- 各班にファシリテイターをつけずに、全体の進行役(今回は逃げ地図づくりの経験のある担当教諭)一人で進行することは苦労が多く、教職員の事前研修が必要ではあるが、中学生が理解すれば、小中学生だけのグループワークで逃げ地図を作成できることがわかった。
- 参加した中学生によると、小学生は安全な場所や危険な場所をしっかりと見つけていたこと、高齢者は思ったよりも避難に時間がかかるため、いざという時には手助けしたいと、コメントしていた。
基本情報
開催年月日 | 2015年6月23日 |
---|---|
開催場所 | 宮城県気仙沼市立面瀬小学校・体育館 |
主催 | 気仙沼市立面瀬小学校・気仙沼市立面瀬中学校 |
参加対象 | 小学4年生と中学3年生 |
参加者数 | 合計133人(内訳:小学生51人、中学生82人) |
新聞掲載 | 三陸新聞 2015年6月25日 |
ワークショップの様子
逃げ地図のベースマップとして使用した津波避難計画地図
体育館で24グループに分かれて作成
A3の白黒コピーの地図をつかって作成