事例紹介
静岡県 下田市旧市街地区(下田・遊ぼう祭)
- 対象災害
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- 津波
経緯と目的
- 2015年度に下田旧市街地区で行った逃げ地図づくりワークショップでは、参加者の固定化といった課題が浮き彫りになると同時に、逃げ地図を広く普及させるためには、アートプログラムと複合したイベントなどの必要性が示唆された。そうした背景を踏まえて、2016年10月22日に下田市旧市街地区のナンズヴィレッジを主たる会場として、アートと防災を融合した『遊ぼう祭』というイベントが開催された。
- イベントにはデバイス鬼ごっこ『PetaPeta』や街をあるきながらキツネを探す『キツネを探せ』など計6つのブースを設置し、逃げ地図づくりのブースでは、「まちで遊ぶことは防災につながる」という遊ぼう祭のコンセプトのもと、逃げ地図づくりワークショップを試しに体験し、参加者に新たな「気づき」を見つけてもらうことを目的に行った。
方法と内容
- 下田・遊ぼう祭では、逃げ地図に観光情報を付加したパンフレットを無料配布し、防災と観光との親和性を図った。当日は地元の小学生や高校生、教員などの住民が多数参加し、その様子はNHKや静岡テレビ、ウェザーニュースなどで大きく報じられた。
- 逃げ地図づくりのブースでは、色を塗るということに興味を持ってくれる子どもたちや、自宅の安全性を確かめてみたいという地域の方々が多く参加し、ワークショップが始まると皆夢中になって地図を作成した。
成果と課題
- 参加者からは「実際に色を塗りながら地域のリスクを可視化できたことで、ふわふわしていた津波に対する危険性が、実感できた」との声や、「保育園まで子どもを迎えにいってから高台に避難すると、津波到達時間に間に合わないことがわかった」との意見が寄せられた。
- 逃げ地図ワークショップを実施することで、地域の危険性を認識するだけでなく、避難に際してどのように行動すれば良いかを考える機会を創出することができ、下田小学校の4年生の参加者からは「普段学校で同じような防災学習を行っているから、逃げ地図づくりは簡単」との声があり、下田小学校のように防災学習に力を入れている地域の学校では、4年生でも逃げ地図づくりワークショップを実施できることが明らかになった。
基本情報
開催年月日 | 2016年10月22日 |
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開催場所 | Nanz Village(下田市一丁目) |
主催 | 下田・遊ぼう祭2016実行委員会 |
後援 | 下田市、下田市教育委員会、下田商工会議所、下田市観光協会 |
協力 | NPO法人賀茂災害ボランティアコーディネートの会,千葉大学木下勇研究室、明治大学山本俊哉研究室、子ども安全まちづくりパートナーズ |
参加対象 | 一般参加者 |
ワークショップの様子
学生スタッフから逃げ地図の説明の説明を受ける地域住民
逃げ地図づくりを体験する地域住民
キツネを探せin下田に参加した小学生が逃げ地図を見ながら経路を振り返る様子
逃げ地図に観光情報を付加した下田遊ぼう祭2016パンフレット