事例紹介
和歌山県 JIA(日本建築家協会)和歌山地域会
- 対象災害
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- 津波
経緯と目的
- 2015年、逃げ地図プロジェクトチームはJIA和歌山と人的交流を始めた。JIA和歌山では2013年に東京から帰郷した森岡氏(当時:災害対策委員長)が日建設計の「逃げ地図」を紹介し、和歌山で委員会をつくって本格的に活動を始めていた。逃げ地図づくりとしては地域の専門家が独自に始めている。
- 和歌山では、行政から白地図、ハザードマップの提供を受けて、まず自分たちの手で色塗り作成している。それをデジタル化し、行政に渡す逃げ地図をつくる。その発表会を2016年4月21日、和歌山県建築士会館での「デザイントーク+逃げ地図発表会」でおこなった。
- JIA和歌山としての逃げ地図作成の目的は、行政に成果を手渡すことで災害に強にまちづくりに使うツールとしてもらうこととしている。市民によるWSの経験はまだない。
- 市民によるWSの技法を体験するため、逃げ地図プロジェクトチームが協力するかたちで、JIA和歌山が2016年6月19日、和歌山市築港地区で市民ワークショップをおこなった。
- さらに、現JIA和歌山会長の島氏とともに、和歌山大学システム工学部デザイン情報学科吉野研究室の「逃げ地図作成支援システム」構築について交流をもった。
方法と内容
- JIA和歌山の災害対策委員会を中心に、建築士会や交流のある業界の若手などが集まって、地域ごとにまずは一つずつ、最も基本的な避難目標ポイントと橋を渡らないという条件以外は避難阻害要因を設定しない同一設定条件で、手作業で作図をし、それをリライトして、行政だけでなく市民やメディアにも発表している。
- 和歌山は海岸線が長いので、つくらなければいけない自治体が17ほどある。そのため、比較検討する方法はとっていない。地元市民によるWSなどは今後の課題である
成果と課題
- JIAの会員など専門性を持つ技術者が直接逃げ地図づくりを経験することで、地図と避難ルート、地域特性と避難条件といった具体的な逃げ地図上で統合する方法に近づくことができた。これは、ファシリテーターとしての担い手をどのように生み出していくかについての実験的な試みの一つになった。
- 隣接する県のJIAからも強い関心が得られている。公益法人としてのJIAに逃げ地図の技術がつながることで、担い手形成の一つのかたちを見出せることが期待される。
- 課題として、対象が広域にわたる市民との継続的なWS開催の実現方法をどのようにするか、という点がある。合わせて、ベース地図、ハザード地図の入手方法などが挙げられている。
- 特に、対象範囲が広域にわたるため、マンパワーをどのように確保するかが大きな課題となっている。
- 和歌山大学の「逃げ地図作成支援システム」は現段階では未完成だが、JIA和歌山も今後の協力を約束しており、専門性を持った人たちが逃げ地図により近づきやすいツールになりうる。担い手をどのようにつくっていくかの一つのプロトタイプになりうる。
基本情報
開催年月日 | 2016年4月21日(逃げ地図発表会『南海トラフ巨大地震による津波からの「逃げ地図」』) 2016年6月19日(和歌山市築港地区逃げ地図ワークショップ) |
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開催場所 | 和歌山県建築士会館 3F 会議室(逃げ地図発表会『南海トラフ巨大地震による津波からの「逃げ地図」』) 築港会館(和歌山市築港地区逃げ地図ワークショップ) |
主催 | JIA和歌山地域会(森岡茂夫/災害対策委員長)(逃げ地図発表会『南海トラフ巨大地震による津波からの「逃げ地図」』) 公益社団法人日本建築家協会近畿支部和歌山地域会(和歌山市築港地区逃げ地図ワークショップ) |
参加対象 | 市民、行政、メディアなど(逃げ地図発表会『南海トラフ巨大地震による津波からの「逃げ地図」』) 住民自治会役員(和歌山市築港地区逃げ地図ワークショップ) |
参加者数 | 約60人(逃げ地図発表会『南海トラフ巨大地震による津波からの「逃げ地図」』) 約20人(和歌山市築港地区逃げ地図ワークショップ) |
ワークショップの様子
逃げ地図発表会の様子(逃げ地図発表会『南海トラフ巨大地震による津波からの「逃げ地図」』)
会場に貼られていた逃げ地図(逃げ地図発表会『南海トラフ巨大地震による津波からの「逃げ地図」』)
逃げ地図WSの様子(和歌山市築港地区逃げ地図ワークショップ)
作成された逃げ地図の講評(和歌山市築港地区逃げ地図ワークショップ)